裏銀座6日目(槍平小屋〜新穂高温泉)

山行

6日目 2025/8/15(金)

いよいよ裏銀座の最終日。今日は下山。

3:26 槍平小屋 → 4:24 滝谷避難小屋 → 5:53 白出沢 → 6:17 白出沢口 → 6:38 柳谷 → 6:52 穂高平小屋 → 7:33 市営新穂高第1駐車場 → 7:34 新穂高ロープウェイ駐車場 → 7:35 新穂高温泉駅 → 7:35 新穂高ロープウェイ → 7:36 新穂高ロープウェイバス停 → 7:36 ゴール地点
(合計 4時間10分・距離 9.7km・登り128m / 下り1015m・休憩10分)


静かな暗闇の出発

まだ星の残る時間に起床。最終日は、帰りのバスの時間に合わせて早めに下山することにした。
標高も下がってきたので、日が昇ると一気に暑くなる。できるだけ涼しいうちに距離を稼ぎたい。

道は特に迷うようなところはない。けれど気になっていたのは「心霊スポット」として名高い滝谷避難小屋。
暗闇の中をヘッドライトの明かりだけで進み、小屋へ向かうのはやっぱりちょっと怖い。


滝谷避難小屋と川渡り

小屋の前に着くと、確かに独特の雰囲気はあった。
でも、それどころじゃなかった。小屋前の川を渡る橋が大雨で流され、跡形もなくなっていたのだ。

「これ、渡れないやん…」と一気に現実的な問題に直面。
心霊どころの話じゃなくなる。

上流へ行ったり、下流へ下ったりしながらルートを探す。最終的には石を飛び移るようにして何とか渡りきった。
水量も多く、なかなかスリリングな渡渉だった。

3か月前に来たときは、アイゼンを履いていても記憶に残らないほどあっさり通過したのに。今回は妙に強い印象を残した。


熊との距離

歩き続けていると、空はだんだん明るくなり、まわりがよく見えるようになってきた。
天気は快晴。ただし、槍ヶ岳の穂先だけは相変わらずガスに隠れている。

そのとき、「バリバリッ」という大きな音。
目をやると、中崎尾根の斜面に熊がいて、木の根を掘って食べていた。
距離はあったので安心だったが、「隣の尾根で本当に良かった…」と心から思った。


捻挫と新穂高へ

新穂高まであと1kmというところ。もうすぐゴールだ、と気が緩んだのか、曲がりくねった坂で左足をひねった。
不安定な足場に体重をかけて「グキッ」。

「最後の最後で捻挫か…」と苦笑い。
ストックがあったので大事には至らなかったけれど、ここまで怪我なしで来ていたので少し悔しい。

それでも歩き続け、ついに新穂高へ。長かった裏銀座の山旅が幕を閉じた。


下山後のお楽しみ

到着はまだ8時前。楽しみにしていた「ひがくの湯」は営業前で開いていない。
仕方なく、新穂高ロープウェイ駅で土産を見たり、新穂高センターで時間を潰す。
日が昇るにつれて、街の暑さがじりじりと身体に刺さるように感じた。

9時になり、ようやく温泉へ。
汗を流し、荷物を整理し、食堂で味噌カツ定食を注文。
ただ、内臓が疲れていたのか味噌カツは少し重く感じた。逆にサラダやスイカがやたらとおいしかった。

「ひがくの湯」はやっぱり素晴らしい。うまい棒、トマト、スイカが食べ放題で、しかも充電無料。長い山行の締めにぴったりの場所だった。

ひがくの湯と登山者食堂 – 新穂高温泉観光協会
北アルプスの登山口として親しまれ、雄大な景色が間近に迫る 奥飛騨温泉郷 新穂高温泉。奥飛騨温泉郷の中でも最奥にある新穂高温泉は、北アルプスが間近に迫る雄大な自然の景観が自慢です。

その後はバスで飛騨高山へ移動し、電車を乗り継いで大阪の難波駅へ。久々の都会の喧騒に包まれ、現実に帰っていった。


スマートウォッチの記録

今日の山行はさすがに軽め。
下りメインだったこともあり、大きな負荷はかからなかった。
それでも予定通りに歩ききれて、無事に下山できたのは安心だった。


山行を振り返って

雲ノ平は省略し、悪天候で1日は停滞。予定通りにはいかなかったけれど、5泊6日の山行を歩き通せたのは、大峯奥駈道以来の経験だった。
最後に軽く捻挫はしたものの、相方ともども大きな怪我なく終えられて本当に良かった。

心残りはやっぱり烏帽子岳。次は種池山荘から烏帽子岳まで歩いてみたい。

家に帰ってテレビをつけると「熊が出た」というニュースで大きく取り上げられていた。
中崎尾根で見たあの熊を思い出し、背筋がひやりとした。あの距離で済んで本当に良かった。

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