高野山参詣道を歩く ― 九度山から極楽橋へ

過去の山行

※この山行は過去の記録(2025年3月1日)のものです。


高野山参詣道とは

高野山参詣道は、空海(弘法大師)が開いた高野山へ通じる歴史ある参道です。いくつものルートがありますが、代表格は九度山から壇上伽藍へ続く「町石道」。約22kmの道に、109基の町石(石柱)が1町ごとに並び、古の参詣者が歩いた道を現代に伝えています。信仰と歴史が重なるこの参道は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部にも登録されています。


概要

2025年3月1日、始発で九度山駅から歩き出し、町石道を登り切って大門を経て高野山内をめぐり、極楽橋駅へと下山しました。

「午前中に町石道を登り切り、大門に12時到着」を目標にしていましたが、この日は途中に崩落箇所があり、迂回路を通ることになってわずかに間に合わず。それでも精一杯歩き切り、目標に近いタイムで到着しました。次こそは!という気持ちが強く残る山行になりました。

大門に入った後は精進ラーメンの昼食を取り、高野山内を巡礼。下山は極楽橋まで雪の残る道を歩き、思わぬ出会い――カモシカに遭遇するというハイライトもありました。


行動記録(2025/3/1・土)

行動スケジュール
7:39 九度山駅 → 9:14 六本杉峠 → 9:48 神田地蔵堂 → 10:56 矢立峠 → 12:24 大門 → 12:47 高野山宿坊協会 → 13:42 不動坂口女人堂 → 13:54 清不動堂 → 14:20 極楽橋駅(ゴール)
(合計6時間41分・距離26.2km・登り1806m/下り1358m・休憩51分含む)


九度山から町石道へ

早朝7:39、九度山駅を出発。始発で来たため静かな参道を歩けました。
少し登ると、眼下に雲海が広がり、朝の光と重なって美しい景色を見せてくれました。


町石道を刻む

町石が一定の間隔で並び、歩くごとに信仰の歴史を感じられる道。六本杉峠を過ぎ、神田地蔵堂に立ち寄り、手を合わせました。道は崩落による迂回路が指定されており、その影響で少し時間をロス。目標にしていた「大門12時到着」には間に合いませんでした。悔しさ半分、次こそはの気持ち半分で足を進めます。


大門に到着

12時過ぎ、大門へ到着。巨大な仁王像に迎えられる瞬間は、歩いてきた疲れを忘れるほどの迫力でした。そばに設置された温度計は13.5℃。春先らしい柔らかさを感じつつも、標高の高さからか肌にはひんやり。


昼食と山内散策

昼食は高野山の「養花天」で精進ラーメンセット。何度食べてもあっさりしていて、歩き疲れた体に染み渡る優しい味でした。大門近くには評判の釜飯屋もあり、毎回悩みつつも結局ラーメンを選んでしまいます。


下山 ― 雪の道とカモシカ

下山は極楽橋まで。道にはぐずぐずの雪が残り、滑らないよう慎重に足を運びます。
すると前方に大きな影。鹿でも猪でもなく、もちろん熊でもない。じっとこちらを見つめるその姿は――カモシカでした。Googleレンズで確認するとやはりカモシカ。近づいても動かず、しばらく見つめ合う時間。さすがに数メートルまで迫ると走り去っていきましたが、野生の力強さに圧倒されました。


極楽橋駅へ

そのまま下り続け、14時過ぎに極楽橋駅へゴール。電車に乗って夕方には自宅に戻れました。26kmを歩き切った達成感とともに、日帰りでここまで深い体験ができる高野山の懐の広さを改めて感じました。


まとめ

九度山から町石道をたどり、大門を経て極楽橋まで歩いた今回の山行。
「午前中に大門到着」という目標は叶いませんでしたが、町石を数えながら歴史の道を踏みしめ、最後にはカモシカにまで出会うという忘れられない一日になりました。

全行程は26km超え、登りも1800mを超えるハードさ。それでも、町石が示すリズムのおかげで一歩一歩を積み重ねられました。
次こそは大門に正午到着を果たしたい――そんな新たな目標を胸に、また歩きたいと思います。

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