※この山行は過去の記録(2023年5月2日〜5月4日)のものです。
前半(吉野〜深仙ノ宿)に続き、6日間通しで歩いたうちの後半3日間をまとめます。
4日目(2023/5/2・火)
行動スケジュール
5:12 大日岳 → 5:19 蘇莫岳 → 5:35 石楠花岳 → 6:17 天狗山 → 6:52 奥守岳 → 7:13 姥ヶ岳 → 7:33 大峯の精白場 → 8:01 地蔵岳 → 8:28 船若岳 → 9:37 涅槃岳 → 10:06 証誠無漏岳 → 10:42 阿須迦利岳 → 11:23 持経の宿 → 12:36 平治の宿 → 12:58 キャンプ場 → 13:15 転法輪岳 → 13:53 倶利伽羅岳 → 15:28 行仙岳 → 16:07 行仙宿山小屋
(合計 12時間26分・距離16.0km・登り1449m / 下り1853m・休憩15分)
深仙ノ宿を後にし、早朝でスタート。
やっと前回撤退した場所までたどり着きました。ここから先は、まだ自分の足で歩いたことのない未知の区間。いよいよ「南の大峯奥駈道」が始まります。前回と違い、体力にも余裕がありました。


涼しい空気とともに、いきなりアップダウンの連続です。石楠花岳や天狗山といった名のあるピークを越えていくと、道はますます「修行の道」の色を濃くしていきます。
持経の宿、平治の宿を過ぎ、転法輪岳、倶利伽羅岳と続く稜線歩きはなかなかハード。
夕方近くに行仙岳へ。登りではいくらスピードを上げても疲れずテンションが上がり、途中から鼻血が出るほど。気にせず歩き続けていたら、頂上でふっと意識が飛んでしゃがみ込んでいました。数秒のことだったと思いますが、5月なのに熱中症?とちょっとヒヤッとしました。

そこから先は体がしんどく、まさにムチを打ちながら行仙宿山小屋へ。到着してから水場まで片道20分かけて水を汲みに行き、人のいないタイミングでこっそり水浴び。汗と熱を一気に洗い流せて最高のクールダウンでした。
小屋ではストーブが焚いてあって暖かく、ぐっすり眠れました。

5日目(2023/5/3・水)
行動スケジュール
5:12 行仙宿山小屋 → 5:13 笠捨越 → 6:47 笠捨山 → 8:08 地蔵岳 → 9:02 東屋岳 → 10:04 香精山 → 10:54 塔ノ谷峠 → 11:44 如意宝珠岳 → 14:00 標高971m地点 → 14:20 玉置山 → 14:53 玉置神社 → 15:20 玉置辻(本宮辻)
(合計 17時間53分・距離15.9km・登り1444m / 下り1780m・休憩8時間16分)
この日は長丁場。笠捨山を越えると、地蔵岳や東屋岳など、次々とピークを越えていきます。地蔵岳付近からは鎖場が出てきて、とにかく険しい。
途中、「槍ヶ岳」の看板を発見。北アルプス以外にも槍ヶ岳があるんだなぁと苦笑い。

そして香精山。ここではちょっと不思議な体験をしました。登った道をそのまま下っていくと、気づけばまた同じ場所に戻ってきて、「あれ?」と首をかしげることに。
まるで山そのものに化かされたようで、山名の「香精(こうしょう)」にふさわしい幻惑の瞬間でした。

玉置山に近づくと車道が見え、久しぶりに文明を感じました。山頂に近づくにつれて観光客も増え、急に別世界に迷い込んだような感覚に。
そして奥駈道の要ともいえる玉置神社に到着。うどんが食べられると聞いて楽しみにしていたのですが、見つけられず……結局水だけ汲んで、賑やかな観光客に背を向け、再び山へ。

少し歩いて玉置辻でテントを張り、この日は終了。もう一組テントを張っている人がいて、静かな夜を過ごしました。

6日目(2023/5/4・木)
行動スケジュール
2:28 玉置辻(本宮辻) → 2:58 駐車場 → 3:01 玉置辻(本宮辻) → 4:36 大森山 → 4:48 大水ノ森 → 5:55 五大尊岳 → 7:48 大黒天神岳 → 8:40 山在峠 → 8:50 吹越山 → 9:39 吹越峠 → 10:00 七越峰 → 11:28 大斎原入口駐車場 → 11:29 大斎原前バス停 → 11:48 熊野本宮大社(ゴール地点)
(合計 9時間17分・距離16.5km・登り1009m / 下り1667m・休憩26分)
最終日は熊野でゆっくりするために、夜明け前に出発。
大森山、大水ノ森、五大尊岳、大黒天神岳と次々にピークを越え、まだ眠っている山里を見下ろしながら歩きます。
吹越山を過ぎ、七越峰を越えると道は一気に下り基調。やがて**熊野本宮大社の大鳥居(大斎原)**が見えてきたときは、思わず胸が熱くなりました。
熊野川では、修行を終えた行者が昔からしていた習わしにならい、裸足で水に入り水垢離。水量が多く流されそうになりましたが、冷たさと爽快感に包まれて心身ともに清められました。

その後は大斎原、大鳥居、現在の熊野本宮大社を駆け足で回り、お土産を買ってバスに飛び乗りました。


まとめ
念願の大峯奥駈道を無事に縦走できて最高でした。
稜線歩きで水不足が心配でしたが、事前に水場を調べて計画的に担ぎ、さらにゼリー飲料を1日2個計算で持参していたので安心して歩けました。そのぶん荷物は重かったですが…。
GWということもあり、同じタイミングで奥駈に挑戦している人たちもちらほらいて、山中での会話も楽しい思い出になりました。
そして普段はあまり手ぬぐいを買わないのですが、行仙宿山小屋限定の大峯奥駈道手ぬぐいを購入しました。今も大事にしまってあり、この山行を思い出すたびに手に取っています。
忘れられない山行となりました。吉野から歩くことを「逆峯」と呼ぶそうですが、今度は熊野から歩く「順峯」にも挑戦してみたいです。

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