※この山行は過去の記録(2021年11月20日〜21日)のものです。
ダイヤモンドトレールとは
ダイヤモンドトレール(通称「ダイトレ」)は、大阪・奈良・和歌山の県境に沿って延びる全長約45kmの縦走路です。二上山から葛城山、金剛山、岩湧山を経て槇尾山へ至る道はアップダウンが激しく、関西を代表するロングトレイルのひとつ。大会やトレイルランでも有名で、多くの登山者にとって「健脚の証」となる挑戦の場です。
概要
2021年11月下旬、以前から歩きたいと思っていたダイヤモンドトレールを、ついに全線踏破することにしました。今回はソロ。二上山駅を出発して金剛山を越え、金剛山下キャンプ場で1泊。翌日は岩湧山を経て槇尾山の施福寺にゴールする二日間の計画です。
金剛山キャンプ場にツェルトを張る予定でしたが、予約が取れず。最終的にどうなるか分からないままのスタートとなりました。結果としては野宿の経験を積むことになり、この山行は自分にとって忘れられないものとなりました。
1日目(2021/11/20・土)
行動スケジュール
7:28 二上山駅 → 7:50 二上山 → 7:56 ダイヤモンドトレール起点 → 7:59 雌岳 → 9:13 岩橋山 → 10:11 高城山 → 10:17 行者杉 → 11:16 葛城山 → 11:52 水越峠 → 13:03 金剛山 → 16:21 金剛山下キャンプ場(泊)
(合計約9時間50分・距離24.0km・登り2,219m / 下り1,315m・休憩含む)
始発で二上山駅に降り立つと、大きな荷物を背負った人が二人。きっと同じくダイトレに挑戦するのだろうと思いながら、自分の旅が始まった。

起点の石碑を確認して歩き出す。屯鶴峯が本当の起点だと知ったのは後のこと。行き忘れたのが少し心残りになった。
二上山を越えて葛城山へ。人気の山だけあって、人が多い。山頂手前には売店や自動販売機もあり、にぎやかな雰囲気だったが、今日は金剛山まで行かねばならないので、足を止めずに先へ進んだ。

葛城山を下り、水越峠から金剛山の登りへ。登り始めてすぐに「金剛の水」という水場があり、喉を潤しつつ今晩分の水を確保。重たい水を担ぎながら進む。

金剛山に近づくにつれ、人が増えて賑わってきた。結局キャンプ場は予約できず、山頂で野宿できそうな場所を探しながら歩いた。広いベンチを見つけても「火気厳禁」で断念。日が傾く頃、炊事場で夕食を作ることにした。袋麺の「うまかっちゃん」が、疲れた身体にしみ渡るほど旨かった。


暗くなると周囲は静まり返り、結局キャンプ場の炊事場の近くのベンチで夜を過ごすことに。上下ダウンに象足、シュラフカバーにくるまり、寒さをしのぐ。11月下旬、思った以上に冷え込んだが、人は誰も来ず、ひとりで夜を明かした。

2日目(2021/11/21・日)
行動スケジュール
5:40 金剛山下キャンプ場 → 6:15 行者杉 → 6:35 中葛城山 → 7:04 六道の辻 → 7:18 神福山 → 7:27 杉尾峠 → 7:56 大和葛城山分岐 → 8:19 ボテ峠 → 8:33 岩湧山 → 9:25 行者杉 → 10:08 根古峰 → 11:13 行者杉 → 12:07 槇尾山 → 15:53 ゴール(施福寺・バス停へ下山)
(合計約10時間10分・距離25.1km・登り1,584m / 下り2,320m・休憩含む)
朝4時過ぎに起床。思いのほか快適に眠れたことに驚き、「低山ならベンチでも一晩過ごせる」と実感した。以降の山行において、この経験が大きな自信となった。
朝食をとり、近くの自販機で温かいココアを飲んで出発。歩き出すとすぐに体が温まり、シャツ一枚で進めるほどだった。
行者杉を通り、しばらく下ったのち、岩湧山へと登り返す。山頂はススキに覆われ、人の姿も多かった。黄金色の野原に立つと、まさに晩秋のハイライトという光景だった。



その後、人影も少なくなり、根古峰を越えて槇尾山へ。途中で右足をひねったが、テーピングで固定してなんとか歩き続けられた。
槇尾山に近づくにつれ、「ゴールはまだか」と思うほど遠く感じる。ようやく施福寺に到着し、ダイヤモンドトレールのゴール碑を確認した瞬間、達成感と安堵が押し寄せた。

バス停までの石段の下りは急で、足に堪えた。バスを待つ間、同じくダイトレを歩き終えた人と話をしながら時間を潰す。バスに揺られながら、「歩き切ったんだ」と実感が湧いてきた。
まとめ
二日間で歩き切ったダイヤモンドトレール。道はよく整備されていて歩きやすい一方、階段の多さには体力を削られた。それでも全線を踏破できたことで大きな達成感を得られた。
唯一の心残りは、起点の屯鶴峯を見逃したこと。次に歩くときは必ず立ち寄りたい。
晩秋のススキ、冷え込みの夜、野宿で得た新しい発見――その全てが、この山行を特別なものにしてくれた。
また涼しい季節に歩き直したい、そう思わせる二日間だった。

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