音がしない夜、底冷えしない床。**NEMO TENSOR™ ALL SEASON Regular Mummy(ニーモ テンサー オールシーズン レギュラーマミー)**で快眠アップデート

登山ギア

ギア概要(主要スペック)

項目内容
種別超軽量・断熱エアマット(オールシーズン)
R値(ASTM F3340)5.4
厚さ3.5 in(約 8.9 cm)
サイズRegular Mummy:72×20×3.5 in(約 183×51×8.9 cm)
参考重量約 400 g(Regular Mummy)
収納サイズ約 25.5 × 直径 10 cm(目安)
構造Spaceframe バッフル + Thermal Mirror 2層(静音・高断熱)
素材トップ 20D / ボトム 40D ナイロン(bluesign®)
バルブLaylow(ゼロプロファイル・微調整可)
付属品Vortex ポンプサック、スタッフサック、リペアパッチ、ベルクロストラップ
価格感税込 ¥33,000 前後(在庫・店舗で変動)

購入モデルと「決め手」

私は NEMO TENSOR™ ALL SEASON Regular Mummy を購入しました。

決め手は二つです。まず、空気をしっかりと「パンパン」まで入れられること。次に、マットの上で転がっても「シャカシャカ」と音がしにくい静かさです。

エアマットは最終的な満足度を、張りの出し切りと寝返り時の音が大きく左右すると思っています。ここが明確に優秀だと感じられたことが、購入の後押しになりました。


これまでのエアマット遍歴と比較

これで三代目のエアマットになります。

初代は 150cm のショート。足元はザックに乗せて寝る運用でした。取り回しはとても良かったのですが R 値が低く、冬はセルフインフレーティングマットを重ねて対応していました。

二代目は驚くほど軽量で、畳むとかさが極小になるタイプ。ところが初回のテント泊で破れてしまい、ほとんど眠れずに撤退することに。そこから初代へ出戻りし、7 年間使い倒して最後は破れて引退しました。

こうした経緯があったため、今回はレビューをかなり読み込み、張り・静音・耐久のバランスを重視して NEMO TENSOR™ ALL SEASON に落ち着いた、という流れです。


実際に使ってみて

寝心地は期待どおりでした。

仰向けでも横向きでも体圧がよく分散され、水っぽいユラユラ感が出にくいのが安心です。端に体重を預けても落ち込みが少なく、サイドスリーパーでも肩や骨盤の角が床に当たりにくいと感じます。

付属の Vortex ポンプサック は想像以上に扱いやすく、標高帯でも息を吹き込まずテンポよく膨らませられます。さらに Laylow バルブ が秀逸で、就寝直前の「あと半呼吸だけ柔らかく」といった微妙な固さ調整を指一本で決められます。

準備から就寝までのストレスが一段下がり、設営・撤収が軽快になりました。


長さが 150→183cm に変わって気づいたこと

ショートからフルレングスに伸ばしたことで、テント内の取り回しは確かに変わりました。

狭い幕体では満充填の前に一度向きを変える段取りが必要になったり、撤収時の抜気や畳み始めの位置取りも少し工夫が要ります。

ただ、これは慣れで解決できる範囲です。数泊すれば自分の型ができると感じています。フルレングスになった分、寝返り時の安心感や保温の安定感が明らかに向上したのはメリットでした。


冬の運用についての現実解

R=5.4 の“オールシーズン”なので、多くの場面は単体でこなせるはずです。

それでも、過去に軽量マットの破れで撤退した経験があるため、雪面や強い冷え込みが予想されるときは、セルフインフレーティングやクローズドセルを下に重ねる保険は残しておきたいと思っています。

R 値は足し算で効いてきます。NEMO TENSOR™ ALL SEASON にもう一枚足して R6〜7 を目安にしておけば、底冷えや放射冷却が強い夜でも余裕が生まれます。年末の南アルプス行きに向けても、単体でどこまでいけるかを試しつつ、冗長性は確保していく予定です。


「他のレビュー」で見えたポイントを自分目線で反映

ショップの解説や他レビューでは、Thermal Mirror を 2 枚搭載して R5.4 を実現した点、トップ 20D/ボトム 40D で耐久性を引き上げた点、そして表面がツルツルしすぎず柔らかい手触りで肌当たりが良い点が繰り返し強調されています。

私の印象とも一致しています。乾いたソフトな感触で滑りすぎず、就寝中の姿勢保持に貢献していると感じました。

約 9cm の厚みは地面の凹凸をよく吸収し、底づきが出にくいのも確かです。「家の高反発ベッド級」とまでは言いませんが、しっかり張ればかなりカチッとした寝心地まで持っていけます。

幅 64cm のワイドが用意されている点も魅力です。横向きが多く“落ち感”が気になる方はワイドにするだけで快適度が一段上がるはずです。一方、軽さ優先なら約 400g のレギュラーマミー、寝心地優先なら約 530g のレギュラーワイドという住み分けにも納得感がありました。


音・安定感・静かな夜

NEMO TENSOR™ ALL SEASON は、フィルム断熱採用のマットとしては静かな部類です。

寝返り時の「シャカシャカ」「カサカサ」が抑えられることで、夜の満足度が上がります。Spaceframe の支え方が効いていて、端に体重を乗せても落ち込みにくい構造です。

結果として、横寝派でも肩や骨盤の当たりがマイルドになり、翌朝のこわばりが減った実感があります。


付属リペアキット(英語説明)を日本語メモ化

英語の説明書は少しわかりにくかったため、山中で慌てないように要点を日本語でまとめます。

まず、少し空気を入れてバルブを閉めます。次に、水や石けん水を使って泡の出る箇所を探すか、頬に当てて微細な風を感じながら穴の位置を特定します。場所がわかったら水分と汚れを丁寧に拭き取り、完全に乾燥させます。

それから、パッチ面とマット面を軽く脱脂してからパッチをしっかり圧着します。寒い環境では接着が鈍くなるため、手で温めながら押さえると安定しやすくなります。縁や角に近い穴は少し大きめのパッチを使い、端まできちんと押さえるのがコツです。

就寝直前に修理する場合は張りをやや控えめにし、一晩様子を見ると失敗が少なく、翌朝の再調整もしやすいと感じました。


まとめ

NEMO TENSOR™ ALL SEASON Regular Mummy は、「しっかり張れて、うるさくない」ことを最優先する私にとって、現時点でほぼベストの一枚でした。

ショート(150cm)からフルレングス(183cm)への移行で取り回しに慣れは必要ですが、寝心地・静音性・微調整のしやすさは十分にその手間を上回る価値があります。

冬の単体運用レンジは確実に広がりましたが、破損リスクへの備えは残しつつ、年末の南アルプスに向けて数泊の実戦でさらに詰めていこうと思います。

パンパンに張った NEMO TENSOR™ ALL SEASON で迎える静かな一夜は、翌日の足取りを確実に軽くしてくれます。

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