finetrack フロウラップフーディ徹底レビュー|「脱ぐと寒い・着ると暑い」を減らす“着っぱなし”ミッドシェル

登山ギア

ギア概要(表)

項目内容
製品名finetrack フロウラップフーディ(Flow Wrap Hoody)
カテゴリーミッドシェル®(ウインド+ソフトの中間コンセプト)
素材構成表:20dナイロンニット/中間:エバーブレス®エア(防風・耐水・透湿)/裏:20dポリエステルニット
重量の目安メンズ約310g(M)、ウィメンズ約255〜275g(サイズ・年式による)
価格帯定価3万円台前半(モデル・時期で変動)
想定シーズンオールシーズン(とくに冬〜残雪期、春秋の肌寒い時季)

位置づけとコンセプト

フロウラップフーディは、ウインドシェルの軽快さとソフトシェルの安心感を“ミッドシェル”という設計思想でつないだ一枚です。
レインの完全防水ほどゴツくはないのに、薄手ウインドよりもしっかりした“殻”があり、行動中の体温コントロールを楽にしてくれます。
山での“着っぱなし運用”を狙って作られた、いわば「脱ぐと寒い・着ると暑い」の境目を埋める存在です。


着心地と可動域

ニット生地のしなやかさに、エバーブレス®エアの適度なコシが同居します。
腕を大きく上げても突っ張り感が少なく、アウター的なゴワつきが出にくい着心地です。
ペラペラではない安心感がありつつ、テントや山小屋でそのまま横になっても邪魔になりません。
はじめて袖を通したときの伸縮性の大きさには、本当に驚かされました。


保温バランスとシーズン感

フリースのモコモコ感や汗抜けの弱さが気になる場面で、置き換え効果を発揮します。
「脱ぐと寒いけど、ハードシェルを出すほどでもない」時間帯に、ちょうど良い保温+防風のバランスです。

関西の冬の低山なら、ベース+薄手保温(グリッド系)+フロウラップで広い範囲をカバーできます。
残雪期のアルプスでは行動の中核レイヤーに据え、外側にハードシェルを重ねる運用が現実的です。


風・小雨と汗処理

エバーブレス®エアと表地撥水の組み合わせで、稜線の強風や湿雪、小雨にはしっかり対応します。
本降りや長時間の降雨は完全防水ではないため、素直にレインの出番です。

透湿は強力で、条件次第では中に着たものが乾いていくと感じられるほど。
生地自体が水を含みにくく、濡れても肌離れがよいので、濡れ冷えを引きずりにくいのが長所です。


ディテールと運用感:ポケット/ベンチレーション

ポケットは胸配置で、手を差し入れる動作そのものは少し使いにくく感じます。
ただ、ザックのウエストベルトと干渉しにくいので、ベルト締結時でも中身の出し入れがスムーズです。
“歩きながらのアクセス性”より、“ザック装着時のストレス回避”に寄せた位置づけと捉えると、考え方次第で便利だと感じます。

脇腹のベンチレーションはガバッと大きく開く構造で、行動強度が上がった瞬間に一気にオーバーヒートを逃がせます。
前を開けるだけでは抜け切らない熱気や湿気が、脇腹から抜けることで速く落ち着くのは実感として分かりやすいところ。
“着っぱなし運用”のキモはここにあって、開閉のメリハリをつければ脱ぎ着の回数をさらに減らせます。


こんなシーンで“刺さる”

冬〜早春の金剛山・六甲のトレーニング登山では、スタートからゴールまで着続けやすい一枚。
登り返しの多い残雪期の仙丈ヶ岳のようなルートでも、脱ぎ着を減らせるのでペースを崩しにくくなります。

樹林帯と風の強い稜線を行き来する日や、ラン・自転車と山を組み合わせる“動き続ける系”の一日にも、温度変化への追随力が効きます。


個人的メモ:手に入れた一着とサポート体験

私が手に入れた一着は、いまは廃盤になっているODカラーです。
同じ色がもう手に入らないので、着るたびに小さな優越感があります。

登山中に寒くなったときにさっと羽織れるものを探していて、展示イベントのレポートで「finetrackブースはみんな着ていた」という話を読み、実用と支持の両面で背中を押されました。

運用中にフロントジッパーが一度故障しましたが、無償で素早く修理してもらえたのは大きな安心材料でした。


正直レビュー:出番が少ない理由と“器用貧乏”感

物としての完成度は高いのに、登山での出番は意外と多くありません。
気温が一桁でも風がなければシャツ一枚で動いてしまい、寒さを感じるときはレインコート、雪山ではハードシェルを選びます。
その結果、山で使った回数はまだ数回にとどまっています。

役割が広くて頼れるがゆえに、行程や天候がハマらないと“器用貧乏”に見える瞬間があるのは事実です。

一方で、夜のランニングに羽織って走ると体がすぐ温まります。
ただし十分に走ると暑くなり、10分ほどで前を開けたり脱いだりすることもあります。
動的な強度が高いアクティビティでは、通気の良い超薄手ウインドやメッシュ多めのラン用ジャケットに軍配が上がる場面もあります。
逆に、気温が低く風がある、体感がぐっと下がる夜間・早朝の移動や自転車では、フロウラップの「抜けるけど防ぐ」バランスが生き、快適域が長く続く印象です。


まとめと使い分けの落としどころ

総じてフロウラップフーディは、着たり脱いだりの回数を減らしたい日、風があって体感が乱高下する日、稜線へ出入りを繰り返す行程でこそ真価を発揮します。
完全防水の代替として一本化するより、レインやULウインドと“役割分担”する前提でザックに入れておくのが現実的です。

登山では出番が限られても、移動日や夜のラン、サイクリングなど山外の時間でしっかり働いてくれるので、トータルの満足度は高いまま保てています。
好きな色の廃盤ODという一点物感も相まって、今後も“ここぞ”に頼れる一着として付き合っていくつもりです。

コメント

  1. KYF より:

    ODってどういう意味なんだろう?

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