テント泊の夜、さっきまで張っていたエアマットが少しずつしぼんでいく。あれは、気づいた瞬間にちょっと嫌な気持ちになります。寝心地だけならまだしも、地面からの冷えを遮る層まで薄くなるので、気温が低い夜ほど笑えません。
私はこれまで、使い始めて間もないマットと、長く使ったマットの両方で空気漏れを経験しました。新しいから大丈夫とも、長く使えているから安心とも言い切れないんですよね。それ以来、軽さやR値だけでなく、「壊れた夜をどう越すか」まで含めてマットを考えるようになりました。
まず確認するのは、バルブか本体か
空気が抜けたら、最初にバルブが最後まで閉じているかを確認します。バルブ周辺に砂や布が挟まっていないかも見ます。入れ直して短時間で再び沈むなら、本体の小さな穴や接合部からの漏れを疑います。
穴が見えないときは、静かな場所で耳を近づけ、少しずつ押して漏れる音を探します。水が使える環境なら、水面に部分ごとに沈める方法や、薄い石けん水の泡で探す方法もあります。ただし、低温時や水が乏しい山中で無理に濡らすのは現実的ではありません。
応急処置は「乾かす・汚れを落とす・圧着する」
NEMOの公式案内では、漏れ箇所を特定したあと、表面を乾かして清掃し、付属または対応するパッチを貼る流れが示されています。自宅で接着剤を使う修理では、硬化時間を十分に取ってから再テストすることも重要です。
山中で完璧に直そうとすると、暗いテントの中で小さな穴を探し続けることにもなります。正直、それはかなり面倒です。まずは一晩を安全に越すための応急処置と割り切って、布・アルコールシート・補修パッチを同じ袋にまとめています。
- メーカー対応の補修パッチ
- 小さなアルコールシート
- 水分と汚れを拭く布
- 穴の位置を記す油性ペン
詳しい基本手順は、NEMO公式の修理案内でも確認できます。製品ごとに素材や推奨修理材が異なるため、出発前に自分のモデルの説明書も確認しておくのが確実です。
寒い時期は、薄い予備マットが保険になる
補修キットを持っていても、暗いテントの中で小さな穴を必ず見つけられるとは限りません。「持っているから大丈夫」とまでは思えないところです。だから寒い時期は、エアマット一枚にすべてを任せない組み方の方が私は安心できます。
私は冬の床づくりで、NEMOのエアマットに短い自動膨張式マットを重ねています。二枚にすると重量は増えますが、片方に不具合が出ても断熱層が完全には消えません。短いマットなら、胴体の下を優先して守りつつ増加重量を抑えられます。
普段使っているNEMOの感触や静かさは、こちらで詳しく書いています。

マットの長さをXS・Small・Regularから選ぶ考え方はこちらです。

出発前に一度、家で膨らませておく
いちばん地味だけど、やっておくと安心なのが、前日までに家で一度膨らませることです。数時間から一晩置くだけなら大した手間ではありません。山へ着いてから「やっぱり抜けてる」と気づくより、家で分かった方がずっと楽です。
- 膨らませた直後の硬さを覚える
- 翌朝の沈み方を確認する
- 補修キットがスタッフサックに入っているか見る
- パッチの劣化や枚数不足を確認する
- 寒い山行では予備になる薄いマットを加える
まとめ:修理できる準備と、修理できない夜の準備を分ける
エアマットのパンク対策は、修理キットを入れたら終わり、ではありません。穴を見つけて直せる準備と、どうしても直せなかった夜を越える準備。この二つを分けて考えておく方が、私は気持ちにも余裕ができます。
軽量化では削りたくなる部分ですが、失敗した夜を経験すると、数十グラムの補修セットや短い予備マットの意味がはっきり見えてきます。次のテント泊前には、マットを膨らませるところから装備点検を始めます。

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